【100倍楽しむ! 百貨店のツボ】②
2、【100倍楽しむ! 百貨店のツボ】値引と割引
お客にとってはどちらでもいいことなのですが、値引と割引は違います。ひと言でいうと、値引は取引先負担で割引は百貨店負担です。また、値引は売上が減少しますが割引は売上はそのままです。
値引の種類としては、ハウスカード、外商カード、各種優待販売、プレセール、店員販売など。割引は割引券を伴い、社員買物券、株主優待券、友の会優待券、各種団体割引券などです。値引率・割引率は様々で、おおむね5~20%の間です。
ただしプレセールだけは特殊で、売り出しそのものの趣旨がマークダウンに先立って上顧客を優待するということなので、値引率は30%前後になります。
また、百貨店によっては請求時値引という形態があり、店頭では値引できない商品がカードの支払請求時に値引されているものです。これなら正札販売にこだわる取引先も、文句を言わないということになるのです。
前述のように値引率の一番大きいものはプレセールですが、実施回数が少なくお値打ち感があるのは、店休特招(定休日特招)と店員販売です。店休特招は店全体がクローズ会場と見なされ、1日限りということもあって、普段店頭で値引できない商品も大半が値引されます。
ヤング・キャリアのブランドも昔は「キャラクター店販」と言って、年に3~4回のべ6~8日だけ値引販売をしました。今はそれが店休特招に当てられています。ただし店休特招は増加傾向にあるので、毎月店休特招を実施しているような百貨店では、実施月によっては同じブランドなのに、値引できたりできなかったりするのです。
また、店員販売でお得なのは化粧品とインナーウェアです。ブランドにもよりますが10~20%引です。値引率では量販店に及びませんが、百貨店ブランドが安く手に入るのは魅力です。実施月や実施回数はお店によってバラバラです。
百貨店の正札販売の比率は、今や40%を下回っています。割引はカウントされませんので、割引を入れると30%を下回るかも知れません。これが百貨店の利益率が低い最大の原因です。
このように値引と割引をきちんと把握しているか否かで、お買いものの損得勘定がずいぶん変わります。百貨店の社員と親しくなるのが一番ですが、買い物はただ買い物をするのではなく店員と親しくなって、いろんなお買い得情報を仕入れるようにしましょう。
