【100倍楽しむ! 百貨店のツボ】③

3、【100倍楽しむ! 百貨店のツボ】福袋

 1月の初売りと言えば「福袋」ですが、買い求めるには基本的な知識が必要です。
 福袋は大きく分けて、「店の福袋」「ブランドの福袋」の2種類があり、催事場などで大々的に売り出されているのが前者、もと売り場のショップ・コーナーで売っているのが後者です。

 「店の福袋」の中身は基本的に企画品です。最初から福袋に入れることを目的として、企画・生産します。徹底的にコストを抑えて専業メーカーとコラボで作るので、安いことは安いのですが、同じものが千単位で仕分けされ封入されています。
 数が多すぎて希少価値お値打ち感がなく、年々売れなくなってきています。
 また売れ行きが悪いので、景品クジをつけたり、中身を見せたり色・サイズを選ばせたりと、ネット販売で予約を受け付けたりと、本来の「わくわく・ドキドキ」の福袋からはどんどん離れて行き、ますます売れなくなってきています。高額品の福袋も毎年話題になりますが、実態としては10,000円よりは5,000円、5,000円よりは3,000円と単価も下落しています。

 「ブランドの福袋」の中身はマークダウン品(キャリー品)です。今シーズンものではなく1年以上前の持越し品ですが、れっきとしたブランド品です。通常持越し品は、プロパー価格の1/2~1/3の価格に評価を下げて持越しますが、福袋では3~4点入ったものを10,000円で販売しますので、プロパー価格の1/5~1/6といったお値打ち価格となります。

 こちらは基本的に売れ残り品ですので、数が少なく、色・サイズもばらばらです。またメーカーはプロパー消化率を上げるため、益々ものづくりを絞ってきていますので、「ブランドの福袋」は年々少なくなっています。同じ「ブランド」でも、都心店には50個あるのに郊外店には5個しかないとか、あるいは全くないとかいう現象になります。

 人気ある「ブランドの福袋」はお客が殺到しますので、危険防止のために整理券を配ったり、別入り口から入れたりします。また一人のお客が買い占めたりできないよう(実際にネットオークションに出す人もいます)、一人一個の制限をつけています。

 注意していただきたいのは、エスカレーター周辺で販売している専門店の福袋です。前述したように仕入れ100%の専門店の福袋は、デザイン・品質ともに大きく劣ります。販売責任の意識も希薄です。お正月気分でつい買ってしまって、後で後悔したという人もいらっしゃるはずです。

 また、特殊な販売ルートで販売している「福袋」もあります。「郵パック」などがその一例で、百貨店の福袋が、なぜか郵便局で事前予約で購入できます。これも中身は企画品です。当然のことながら、同じものが千個単位で出回ります。お世辞にも魅力ある「福袋」とは言えません。

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