こども食堂

今、「こども食堂」が熱い。実体験をもとに、「こども食堂」の作り方を伝授します!

〇「こども食堂」の作り方

  1. 「こども食堂」は「やりたい」熱意があれば作れます
  2. なぜ今「こども食堂」が熱いのか?
  3. 「こども食堂」の作り方(実例を踏まえて)
  4. 「こども食堂」は「やりたい」熱意があれば作れます(結論と提言)

1.「こども食堂」は「やりたい」熱意があれば作れます

まず前提は、「やりたい」熱意を持ったリーダーの存在。それと、一度に何十食もの食事を提供するわけですから、リーダーを支える複数名のボランティアも必要です。
活動を継続していく上でのポイントは、必要経費をきちんと処理すること。例えば、ボランティアに交通費を支給するというのも大事なことです。

こども食堂1

2.なぜ今「こども食堂」が熱いのか?

「こども食堂」の本来の目的は、貧困家庭の発見や子供の孤食の防止でしたが、共働き家庭の増加、社会的不安の高まり、SNSの普及に伴うこどもの遊びの変化などの理由から、こどもの居場所づくりの必要性が叫ばれています。

また、SDGsの盛り上がりもあり、フードロスの解消の観点から、行政や一般企業の関心の高まりも。広報や広告、TVコマーシャルで取り上げられることも多く、個人レベルでの認知も上がってきています。

こども食堂2

3.「こども食堂」の作り方

【こども食堂たわらもと】の実例

私は2018年10月に行政の後援を受け、【こども食堂たわらもと】の立ち上げと、運営のお手伝いをさせていただきました。
 
前述のとおり、この【こども食堂たわらもと】には「やりたい」熱意を持ったリーダーがいて、もと赤十字奉仕団のメンバーを中心に「子ども食堂応援団」を結成。行政を巻き込むことで、公共施設を無償で借りることができ、水光熱費も無償という恵まれた環境でスタートすることができました。


リーダーは「参加者全員に無料で食事を提供する」という理念を持っているので、助成金の獲得が運営の前提となります。県や市町村の助成金を獲得するのが理想ですが、予算の決定時期が遅く、募集も年度が始まってからになりますので、落選のリスクがあります。


行政の助成金があてにできない時は、民間団体や企業の助成金を利用します。【こども食堂たわらもと】では実際に、「オリックス宮内財団」「カゴメみらいやさい財団」「キューピーみらいたまご財団」「ファミリーマート むすぶ、つながる、こども食堂応援プロジェクト」「イオン幸せの黄色いレシートキャンペーン」などを活用させていただきました。


助成金の獲得にはいくつかポイントがあり、特に募集情報に常にアンテナを張っておく必要があります。また助成金情報を発信する団体とつながっておくことも大事です。「県社協」「むすびえ」のホームページを頻繁にチェックしましょう。   
【こども食堂たわらもと】は参加者全員無料なので、助成金の確保にたいへん苦労しましたが、他のこども食堂で参加費を取られているところもたくさんあります。実情に応じた無理のない運営方法で良いと思います。

こども食堂3

「こども食堂」は、地元とつながることが大事

地元企業・団体、有志とつながることも大切です。

【こども食堂たわらもと】では、「奈良コーポ」さんからお米の寄付を受けています。
また、「おてらおやつクラブ」さんからのおすそ分けを受けています。図書館から本のプレゼントをいただいたり、有志の方がボードゲームを教えにきます。
他にも地元の方からお米・野菜、手作り巾着、定額給付金などの寄付を受けました。

【こども食堂たわらもと】には、定期的に歯科衛生士さんが「歯のお話し」をしにきてくださいます。クイズを交えた面白い講習で、お手入れグッズのプレゼントもあり好評です。
このような運営が評判になったのか、他市町村の担当者や学生さんの見学もありました。

こども食堂4

「こども食堂」の助成金獲得の流れ

助成金獲得の事務手続きについては、それぞれの方法がありますので詳細は割愛させていただきますが、大きな流れは下記の通りです。

募集⇒オンライン説明会⇒申請⇒助成決定⇒助成金振込⇒中間報告⇒実績報告

募集時点での注意事項は、助成期間には3か月、6か月、1年というように違いがあるということと、助成対象事業には「新規立ち上げ」、「継続」の2種類があり、助成対象も「設備」、「食材・消耗品」などの区分があり、「交通費」等は対象外という助成金もあるので注意しましょう。

また、申請時に収支計画を提出しますが、経費区分ごとの実績が10%以上変動する場合は、事前の承認が必要というものもあります。 助成金が先に振り込まれていますので、実績報告の際に残金があれば返金することになります

こども食堂5

「こども食堂」は、行政・団体と協業しましょう

【こども食堂たわらもと】の運営の実務は、私が在籍していた「NPO法人子育てすこやかサークル」がお手伝いしています。月1回の開催、各回30名の予約制で、田原本町の広報と独自のホームページ・インスタグラムで事前告知をしています。

実務としては、予約の受付、当日の受付、おすそ分け・寄付の受取り、ホームページ・インスタグラムの更新、行政への報告や助成金に関する業務です。
 

なお、開催当日には「ボランティア行事保険」という保険を掛けるのですが、その手続きは「田原本町社会福祉協議会」にお願いしています。

こども食堂6

4.「こども食堂」は「やりたい」熱意があれば作れます

「こども食堂」は「やりたい」熱意があれば作れます。

ただし、継続できるしくみを作る必要があります。助成金の情報収集後継者を育てる協力者を増やすなどがポイントです。
また、将来の展望を描くことも大切です。拡大していくのか、維持していくのか。
「こども食堂」に社会的関心が集まっている現状は、「こども食堂」を始めるチャンスです。行政や民間団体、企業・個人の協力を得て、多世代が交流できる新しいコミュニティを、皆様の地域にもぜひ創造してください!

こども食堂7